自閉症・発達障害のある方を支援する福祉施設を大阪・高槻で運営

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第37回

Cafe Beと珈琲焙煎士 島さんとの出会い

 


 すでに法人ホームページや機関誌で皆様にお伝えしていますが、平成21年4月に「高槻地域生活総合支援センター ぷれいすBe」が開設しました。
 「ぷれいすBe」は、知的障害・身体障害・精神障害のある人たちを支援する多機能型施設で、生活介護・就労継続支援B型・自立訓練・就労移行支援の4つの支援サービスと日中一時支援・短期入所事業、相談支援事業を併せた地域における障害のある人たちに対する総合的な地域生活を支援する役割を担うことになります。
 企業での就労よりも福祉施設の中で働き続けたいという就労ニーズのある方たちに対する支援サービスとして「就労継続支援事業B型」がありますが、「ぷれいすBe」では、クリーニング(リネン)とカフェが利用される人たちの主な仕事となります。
 「Cafe Be」は、豊中市岡町で、自家焙煎「島珈琲」を経営されておられる島規之さんと私ども法人との協働によりオープンすることができました。
 島さんはハワイ島のコーヒー農園で半年ほど働きながら、コーヒー栽培、精製の工程を学ばれたり、ブラジル・ミナスジェライス州セラード地区のコーヒー農園の視察ツアーに参加されるなど、常に最上のコーヒー豆をお客様に提供したいという熱いプロ魂を持っておられます。
 私が「ぷれいすBe」に行ったときは、必ず「Cafe Be」でコーヒーを頂くのですが、島さんにコーヒー豆の特徴などをお聞きすると、いつも笑顔で熱く説明をして下さいます。 その話を通して、珈琲焙煎に人生を賭ける島さんの思いが伝わってきます。
 話が前後しましたが、島さんと私ども法人との出会い、「Cafe Be」事業での協働の始まりはまさに偶然でした。
 偶然の一つ目は、「ぷれいすBe」開設準備室長の水藤(現Be施設長)を中心にカフェの運営について検討していたときに、島さんも自分自身のカフェの立ち上げの準備をされていたということです。
 偶然の二つ目は、たまたま島珈琲さんの客の一人が私ども法人の職員であったという出会いです。
 そして、職員からの「ぷれいすBe」での「Cafe」運営の話を島さんにしたことが事の始まりとなりました。
 私どもの島さんに対しての「Cafe Be」運営への協力依頼を受けて、島さんから承諾のお返事とともに、次のような「出店コンセプト・店舗コンセプト」の提案がありました。
 「自家焙煎コーヒー豆・コーヒー専門店として、ほんとうのコーヒーの美味しさを伝えること。テーマは『感動』、福祉施設が経営するカフェのモデルケースを構築する。カフェという気軽に立ち寄りやすい場所を利用し、地域の人とのふれあいと理解の場としてコミュニティ的な場所として育て、地域と福祉施設の垣根を取り外す目的を持ち、運営に臨む」
 以前、私が「松上利男の一言」の中でお話しをした「障害のある人たちが作ったということを付加価値にしない。真に付加価値のある商品を作る」という思いと、島さんの思いが重なり、プロ珈琲焙煎士島さんのノウハウの活用によって、4月12日に自家焙煎コーヒー豆・コーヒー専門店としての「Cafe Be」のオープンとなりました。
 住宅街に囲まれた「ぷれいすBe」の立地の良さもあり、オープン以来、近所の方たちがふらっと「Cafe Be」に立ち寄って下さっています。
 「Cafe Be」の開放的で落ち着いた空間の中で、ゆったりとコーヒーを楽しんでいただいている地域の方々との自然なふれあいを通して、「ぷれいすBe」が地域に溶け込んでゆくことができる、そんな素敵な空間として「Cafe Be」が育っていくことを願っています。
 島さんとの偶然の出会い、そして、「Cafe Be」を通して、地域の方々との出会いへと繋がっていく、この偶然が演出する人と人との自然な連鎖の広がりの素晴らしさを、「Cafe Be」でコーヒーを飲みながら楽しんでいる今日この頃の私です。

掲載日:2009年06月11日