自閉症・発達障害のある方を支援する福祉施設を大阪・高槻で運営

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第24回

パワー日記

 


 私たちは対人関係の中で、あるときは、自分自身のパワーを失くして落ち込んだり、また思わぬ場面で他者からパワーをいただき、元気が出たりします。
 特に対人援助という仕事に携わっている私たちは、支援を必要としている人たちに対して、その問題解決のために日常的にパワーを使うことになります。ですから、私たちにとって、常にパワーを蓄積していること、パワーの充電が対人的支援を支える上で、重要になります。
 私たちがどのようなときにパワーを得て、またパワーを失っているのかを知る簡単な方法があります。それは、「パワー日記」という方法です。非常に簡単ですので、皆さん、是非一度実行されることをお薦めします。
 では、先ず1冊のノートを準備してください。
 そして、ノートに日にちを書きます。それからノートの真ん中に上から下に線を引きます。左上に「パワーを得たこと」、右上に「パワーを失くしたこと」と書き入れます。
 準備ができたところで、1週間か2週間ぐらいの期間、あなた自身が朝起きてから夜寝るまでの間にパワーを得たと感じた出来事、パワーを失ったと感じた出来事を記入していきます。
 例えば、朝起きたときに、奥さんが笑顔で、「おはよう!」とやさしく挨拶してくれたときに、「今日も一日がんばろう!」という気持ちになり、パワーをもらったと感じたら、ノートの左側の「パワーを得たこと」欄に、そのことを記入します。
 そして、職場にいって上司から、「Aさんのように、君ももう少し具体的な提案をしたら!」と同僚を引き合いに出して注意をされたときに、「同僚を引き合いに出して注意しなくても、問題点を直接的に伝えてくれたらいいのに!」と心の底から怒りがこみ上げてきて、パワーを失ったと感じたら、ノートの右側の「パワーを失くしたこと」欄に、そのことを記入します。
 このように1日のパワー日記を書き、その日1日のパワー量の計算をします。パワーを得たとき、失ったときのそれぞれの気持ちを5段階評価してみます。パワーを得たときの最高点は+5点、失ったときの最高失点は-5点とします。
 そして、1日のあなたのパワーの計算をしてみてください。プラス得点が多ければ、あなたのパワーは充電されていることになります。
 もしマイナス得点であれば、パワーを得るための努力が必要となります。
 特にこの「パワー日記」の効用は、どのような他者からの働きかけや体験があなたにパワーを与えているかということに気づく点にあります。
 逆に見れば、他者に対してあなた自身がどのような働きかけをすれば、他者にパワーを与えることができるかという気づきになり、対人援助という仕事に活かすことができるという利点があります。
 これからより良い対人関係を築き、家族、隣人、同僚と共に幸せな人生を送るために、「パワー日記」を是非活用してください。

掲載日:2008年07月31日