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第5回 施設職員のオンライン研修

全米各州で採用されているウェブを利用した知的障害サービス職員に対する現任訓練プログラムを紹介します。通常は有料のプログラムですがプログラムを運営するBill Tapp (College of Direct Support) とプログラムを開発した Charlie Lakin, Ph.D. (Institute on Community Integration, Univ. of MN/ミネソタ大学のチャーリー・レーキン教授が10年以上をかけて作り上げてきたプログラムで、さまざまなリソースを集め、専門家が吟味し構築された) の好意と八巻先生のお計らいで、私たち研修生は実際のプログラムを体験させていただきました。イリノイ州では、イリノイ大学の障害学科がプログラムの提供とモニターをしており、そのプログラムの担当のKeiteさんから話を伺いました。
イリノイ州では、施設現場で直接支援する職員をDSP「DirectSupportProfessional」と呼んでおり、QSP(大卒の支援専門員)と区別しています。近年、このDSPに携わる人を見つけることがとても難しく、また見つかったとしても定着しにくいとのことが課題で、DSPになるための雇用資格が低い(高卒程度)、低賃金で社会的にも価値の低い仕事として見られていることが、理由のようです。結果、シングルマザーや若い世代が多いそうです。
以前は、州の規則で40の講習と80時間のOJTが義務付けられていましたが、40時間の講習に相当するオンラインプログラムを組み立て、民間あるいは州立施設の40程度の法人を対象にテストケースとして取り組み始めました。各法人で40時間時間のプログラムの選択と時間数の決定権があり、各法人の特色に応じプログラムをアレンジすることができます。また、このプログラムを利用した人からもフィードバックをもらうようにして更新され、現在の形となっています。152のレッスンと30のコースからなっており、スーパーバイザー向けの人事管理の内容も含まれています。
また、DSPに携わる人の学力への配慮がから、小学校6年生程度の英語とアニメーションを活用し負荷をかけずに学習しやすいものになっていました。このオンライン研修に当初は混乱があったようですが、メリットとしては同じ情報、ムラのないポイントで提供できることや、研修の受け手が自分のペースでできることが挙げられます。
実際に私も「Autism」のコマを体験してみたのですが、ちゃんと現時点での新しい情報で、分かりやすく絵やクイズ形式の練習問題になっていたり、本人のライフヒストリーや体験談などものっていて、非常にわかりやすく、系統立って整理されていました。他にも基本の基本事項である「記録をとる」ということの意味づけや、どういう風にとるのかなども紹介されています。そして、ここ最近では、自閉症の出現率が増えてきている傾向があり、自閉症など特定の障害・症状については知的障害の支援と違うスキルがいることも教えられているそうです。
日本では、分業制が進んでいない分、大卒の正規職員が現場を担うことも半数くらいはあるでしょうが、それでも専門的な研修とOJTは必要です。それが、ルール化されていることは見習うべき点だと思いました。また現場のパートさんの養成プログラムがこのような形で実施されていることも、日本でも必要だと感じました。その裏側として、どこも人手不足と、研修しようにも多くの費用がかけられないことから、レーキン教授と開発されたようです。(この現状は、日本でも特に入所施設の現状と同じですね)日本でも、とまではいかなくともまずは大阪で、このような一定の基準を作っていくような取り組みができればいいなと思います。この内容を紹介するリーフレットがあるので、これだけでも翻訳できたらいいなぁと(帰国したらまたリーフレットを紹介します)思っています。利用者へのよりよい支援は、やはり支援者の育成が重要なのだと、再確認できました。


以上をもちまして、Chicagoレポートは終了です。
今後は、NCでのSEレポートをお送りします。


2010年5月3日
高橋亜希子


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