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平成19年度厚生労働省障害者保健福祉推進事業
『自閉症・発達障害者のスキル&モチベーションを高めるOJT/Off-JTおよび管理方法の開発』

支援者からみた定性的変化(好循環)
(ジョブサイトよど 主任 田端たまみ)

 コロッケ作りを進めていくにつれ、利用者の方々が大変積極的に仕事に取り組まれるようになりました。何故、そのように好転していったのか、もともとコロッケ作りは自閉症・発達障害の方には向いているのではないかと思い、始めたわけですが、それ以外の角度か
らも考えてみたいと思います。
 まず現場で作業を教えるにあたって例をあげると、コロッケの計量(1個20g)においては、19g、20g、21g は○ということを具体的に表示して教える、また、枝豆を均等にコロッケの表面に6個貼り付けるにもどのように貼ったら良いのかを色別に図解して同じ色の容器を用意し、そこからそれぞれ1個ずつ取るというやり方で行いました。作業をするにあたって、できるだけ声掛けを行わずに一人でできるように具体的に表示し視覚化して自立して行っていただくようにしました。またコロッケ作りの工程をできるだけ始めから終りまで知ることで自立度が高まりました。
 最初に入ったときは何ができるのかアセスメントから始まり、できることの中でも特にそれぞれの利用者が得意とする工程から、まずは入っていただきました。仕事をしながら、利用者の方はしっかりいろいろなことを目で見て覚えていくのです。特にスタッフが行っ
ているようなこともしっかり目で盗んでいるわけです。それがまた、新たな仕事につながっていったりするのです。はじめは一工程しか知らなくても、厨房の中で他の人々がいろいろな工程を行っていることで、自分の仕事以外のことも覚えていくのです。それによりさらにできることが増え、はじめは利用者同士の流れ作業はできずにスタッフと行っていたことも、利用者同士で行えるようになってきました。一人でできることが増えてくると利用者は仕事自体を楽しんで行うようになりました。「厨房に入ることは自分の仕事」という意識の高まりができ、コロッケ作業を行うこと自体がモチベーションになってからは、衛生管理などもとてもしやすくなりました。
 というのも「○○をしてこないと厨房には入れません。○○をすると厨房で仕事ができます。」と伝えると色々なことができるようになりました。例を挙げますと、女性利用者A さんは頭髪を自分以外の人に触られるのが感覚上とても嫌な方でした。洗髪が不十分であったり、髪の毛が伸びていても切るのがいやであったりという方でしたが、それも厨房に入るために、ある時、意を決して家でご自分で泣きながら髪の毛を一人で切られたようです。それ以降その方は、髪の毛を厨房用の帽子から出ないくらいの長さにいつもまめに切られています。また、月一回の検便の提出をなかなかされない方々に思い切って「検便を持ってこない人は厨房に入ることはできません。」といって入るのを控えていただいたところ、検便を持ってこられるようになりました。
 また、家族会のご協力を得ていることは非常に利用者の方のモチベーションをあげる結果に結びつきました。利用者の方が持って帰るコロッケがおうちの食卓に上ることで、「おいしい! 頑張ったね!」など直接食べた家族から誉めてもらえるという早いフィードバックがあること、そして食べればなくなり終わる。なくなってまた来週作って持って帰るからという1 つの商品の流れが見えたことは大きかったのではないでしょうか。
 これまでの受注仕事にはあまりモチベーションが上がらずに寝て過ごされることもあった利用者の方も今では、見学者の方が来られると率先して「うち、コロッケ作っているんです!」と4階の説明をされています。
 コロッケを作るようになって、家で食洗器をまめにかけるようになり食洗器の洗剤がなくなると訴えられるようになった方もいます。また、コロッケの日は、家の付け合せの野菜をこれとこれにしてくださいとお母さんにお願いして出かけられる方もいます。
 ひとつだけの何かが好循環をもたらしたわけではなく、コロッケ作りを重ねる中からジョブサイトよどの厨房の仕事として、皆さんが自信を持ってできるという気持ちが高まってきたからではないかと思います。
 先日、私が厨房の外からコロッケ作りを見ていての一コマですが、スツールに座り一時休憩していた一人の利用者さんとたまたま目が合ったその瞬間にその方は、あごにしていたマスクをサッと口に戻したのには驚きました。私と目が合ってご自分がマスクをはずし
ていたことがいけないと感じるようになったことはたいしたものだと思います。(そんなに私がこわいから?…)ちょっとした、感動の一瞬でした。
 最後になりましたが、よど3 年目にしてようやく、よどの調理作業として進むべき方向が見えてきたように思います。よどの家族会を始め、萩の杜、ひむろの家族会の方々にもご協力頂いたことを深く感謝いたします。ありがとうございました。まだまだ、これからですが、このプロジェクトを通しての知見を活かし、今後の法人のオリジナル商品として確立させていきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。

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